本当に良いフコイダンって?おすすめサプリガイド
様々な健康効果が期待されるフコイダンですが、その効果のひとつとして、免疫力アップがあります。
海藻類に含まれるフコイダンは、そのネバネバ成分で乾燥や損傷などから自分の身を守っています。
海藻類にとって、自分の身を守るフコイダンが、人間の免疫系に対しても様々な作用があるというのは、なんだか不思議な話ですね。
フコイダンについては、現在活発にその研究が進んでいます。免疫系に関する研究も数多く発表されていますので、以下では現在分かっている作用についてご紹介します。
フコイダンの効果を理解しやすくするために、まずは免疫について簡単に説明していきます。
免疫とは、自分とその他のものを見分け、その他のものを排除しようとする自己防衛システムのことです。
臓器移植や輸血などでしばしば拒絶反応が起こることがありますが、それらの拒絶反応はこの免疫システムによるものです。
人の体は通常、この免疫によって、ウィルスや毒などから守られているのです。
免疫力が低下すると、すでに体内にあるウィルスが活性化したり、風邪などのウィルスによる症状が悪化しやすくなります。
また、例えば食中毒などでお腹を下してしまうのも免疫作用の一種で、腸から身体に害のあるウィルスを早く排出しようと免疫が働くために起こるものです。
そして免疫は、通常年齢とともにその機能が低下していきます。
NPOフコイダン研究所ではマウスによるナチュラルキラー(NK)細胞の活性化の検証が行われ、その結果活性が認められたことから、フコイダンには免疫賦活作用があるとしています。[注1]
ナチュラルキラー(NK)細胞は自然免疫系の働きをする細胞で、予防接種のようにあらかじめ体内に病原体の情報を記憶させなくても働くことができる免疫細胞です。
つまり、ナチュラルキラー(NK)細胞が活性化するということは、ウィルスなどに対する攻撃力がアップするということなのです。
フコイダンは自然免疫系だけではなく、獲得免疫系でも効果が期待できるようです。
タカラバイオ研究所の研究では、フコイダンによるインターロイキン-12(ナチュラルキラー細胞・NK細胞にシグナルを出してTh1細胞への分化を促すもの)、インターフェロン-γ(免疫細胞の調節作用を持つもの)に対する促進作用が認められています。[注2]
インターロイキンは身体の中に異物が入ってきたことを知らせる役目を持つ
情報伝達の役目を担っており、ウィルスに感染した細胞の増殖を抑制するものです。
そのため、獲得免疫が作られるまでの時間が短くなると、それだけウィルスの増殖が少なくなるため、例えば風邪が長引きにくくなったりするという効果が表れるのです。
マクロファージは、細菌やウィルスを食べる細胞として有名ですが、免疫でも非常に重要な役目を担っています。
マクロファージはウィルスなどが侵入すると真っ先に働いて抗原の情報を集めて、T細胞に伝える役目があり、マクロファージが働かなければ、獲得免疫系ではそもそも攻撃対象を見分けることができなくなるのです。
理研ビタミンでは、免疫力が下がり始める年齢の高齢者70人を対象にプラセボ(有効成分を含まない偽薬)摂取とフコダイン摂取のグループに分け、4週間の摂取ののち、インフルエンザワクチンを摂取するという実験を実施しました。
一週間後に血液検査を行った結果、プラセボを摂取したグループよりもフコイダンを摂取したグループのほうが抗体の産生量が増加していたのです。
つまり抗体が増えると、抗原を排除しやすくなるというわけです。
また、この実験では人のNK細胞が活性化されたことも確認されています。人に対する実験結果はまだ少ないため貴重な資料です。[注3]
よく免疫力を上げる、免疫力が下がるなどの言葉が使われますが、免疫力が強く働くほどいいというわけではありません。
例えば花粉や食べ物、ダニや薬などによって特定の免疫が過剰に反応し、アレルギー反応を起こしてしまう人がいます。
アレルギー症状はIgE抗体がアレルゲンと出会うことで引き起こされ、特異IgE抗体の量が多いほど症状が出やすくなります。
しかし、フコイダンにはアレルギー抑制作用があることが分かっており、正確に言えば免疫力を上げるというより、適正に調整してくれるのがフコダインだということがわかります。
天然調味料の製造を行っている焼津水産化学工業(YSK)と城西大学が行ったフコイダンのマウス免疫細胞の分化に与える影響実験によると、低分子フコイダンに比べて高分子フコイダンのほうがCD8(細胞傷害性T細胞指標)の発現率で優位性がありました。
そのため、免疫力アップを期待するのであれば高分子のフコイダンのほうがその期待値は高いといえるでしょう。
ヨウ素は身体にとって必要不可欠な必須ミネラルのひとつですが、日本人はヨウ素の摂取量が世界的にみても非常に多く、ヨウ素不足よりも過剰摂取が不安視される成分です。
では、フコイダンを摂取することで、ヨウ素の過剰摂取になってしまう可能性はあるのでしょうか。
厚生労働省では、ヨウ素の安全な上限値は成人で1,100 mcg(μg)と規定してる一方、日本人の日本人のヨウ素摂取量は、平均で 1~3 mg/日(1,000mcgはイコール1mgです)だと推定されています。[注4]
つまり、海藻類だけではなく、日本の土壌で作られた作物にはヨウ素が含まれるので、海藻などからフコイダンを摂取しようとすると、ヨウ素の取りすぎになってしまう可能性は非常に高いのです。
それではサプリメントはどうかというと、フコイダンサプリメントを目安通り摂取した場合、この上限を超えることはありません。
例えば、「生きるフコイダン」の場合、5粒あたり、ヨウ素は18.8μgのため、成人の場合ヨウ素の摂取目標は約150μgには全く届きません。
フコイダンサプリメントは、各社その製法に違いはあるものの、フコイダンを抽出した食品です。
基本的にはその抽出過程でヨウ素もかなり減少してしまうので、意外とヨウ素の含有量は少ないのです。
ヨウ素制限を受けている人はもちろん医師に相談する必要がありますが、健康な人であればヨウ素の摂取量に関しては大きな影響はないレベルだと言えるでしょう。
免疫力とは、ウイルスや菌、毒素などが外から体内に入ってきたときに、抗体をつくって抵抗する力です。
さまざまな異物を自分のものではないと判断すると、この免疫によってバリアをして自らの体を守る大切な機能。
免疫力が低下すると、元気が出ず食欲が出ないなどの体の不調を感じ、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
また、病気を患っているときは、より免疫力が低下していってしまうのです。
免疫が下がる原因は、ストレスや老化、生活習慣の乱れ、睡眠不足、肥満、運動不足など。
現代では多くのストレス、生活習慣の乱れなどにより、体の抵抗力が弱まりやすい状態になりやすく、外部からの異物を阻止できなくなり、さまざまな病気を引き起こしやすくなっています。
女性は出産前後、病気では、抗がん剤などの強い薬をつかった副作用として免疫が下がることもあるので、注意が必要です。
フコイダンには主成分のフコースのほか、さまざまな成分が含まれています。フコイダンに含まれる成分のうち、免疫力アップにつながる3つの成分を解説します。
フコースはフコイダンに豊富に含まれている成分で、昆布などの海藻類の構造を維持する働きを持ちます。
人間の体の中では、腸管の上皮細胞の表面にフコースが付加されることによって、細胞間の信号伝達や、ウィルスなどの病原性細菌の感染に関わる働きがあることが報告されています。
東京大学医科学研究所が行ったマウスによる実験では、腸管の上皮細胞にフコースが付加されないようにしたマウスをサルモネラ菌に感染させると、普通のマウスに感染させた場合よりも炎症がひどくなるという結果になりました。[注5]
逆に言えば、フコースが腸管の表面に存在するマウスでは、サルモネラ菌から腸が守られたということです。
この結果から、人間の体内でもフコースが腸管上皮細胞に付加されていることによって、免疫力アップにつながっている可能性があります。
また東京大学大学院と焼津水産化学工業株式会社は、肥満化させたマウスにフコースを与える実験を行い、フコースが内臓脂肪の増加を抑制する効果があるという結果を発表しました。
しかも脂質の蓄積を抑制するだけでなく、脂質の分解を促進することも確認されています。[注6]
肥満はさまざまな病気の原因となりますので、フコースがダイエットの補助になることで、間接的に免疫力アップに役立ちます。健康的なダイエットをしたい人にもおすすめの成分です。
グルクロン酸はフコイダンに含まれる多糖類の一種です。
アルコールなどの毒素と結合して体外へ排出したり、肝臓の機能を助けたりするため、二日酔い対策のサプリメントにグルクロン酸が配合されていることもあります。毒素の排出を助けることで肝臓の働きを補い、体調を維持する一助になると考えられます。
またグルクロン酸は、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やすための栄養素にもなります。グルクロン酸を摂取して腸内のビフィズス菌を増やすことで、さまざまな嬉しい効果があります。
ビフィズス菌は強い殺菌力をもつ酢酸を生成し、悪玉菌が増えすぎないようにすることで腸内環境を整えてくれる細菌です。ちょっとお腹の調子が良くないな、と感じている人はビフィズス菌を増やすことを意識してみてください。
さらにビフィズス菌にはビタミンB群を作り出す働きもあるので、栄養不足を補うためにも役立ちます。栄養不足はいろいろな体調不良を引き起こしますので、グルクロン酸でビフィズス菌を増やして、体調を維持しましょう。
前述の通り、免疫力アップのためには低分子フコイダンよりも高分子フコイダンのほうが期待値は高いという実験結果があります。そして高分子フコイダンの特徴は、硫酸基が多く含まれているという点です。
硫酸基は硫酸のもととなる成分ですが、危険なものではなく、フコイダンの分子量を左右する重要な要素です。
フコイダンはフコースに硫酸基やガラクトースなどが結びつき、いくつも連なった構造になっています。硫酸基とフコースの結びつきが多く保たれていると、分子量の多い高分子フコイダンということになります。
免疫力アップを期待するのであれば、できるだけ硫酸基を多く含む高分子フコイダンを選びましょう。ただし低分子フコイダンは効果がない、ということではありませんので、あまりこだわりすぎる必要はありません。
フコイダンは、主に海藻類に含まれています。しかし、海藻によってフコイダンが含まれる量はさまざま。
たくさんのフコイダンを含んでいるとして、注目されているのはモズクです。
毎日モズクを食べることでフコイダンを摂取することはできますが、モズクが100%フコイダンの成分でできているわけではありません。
効率良くフコイダンを摂取する方法として挙げられるのは、サプリメントからの摂取。とくに、ドリンクタイプのフコイダン商品は、体内への吸収力も高く、より大きな効果が期待できるとされています。
フコイダンを摂取する際、一番注目したいのがフコイダン成分の濃度。
つまり、商品にどれだけ多くのフコイダンが配合されているかをチェックすることが大切です。
中には、フコイダンの配合量が記載されていない商品も存在するため、購入をご検討の際はしっかりと確認しておきましょう。
このサイトでは、フコイダン濃度が高い商品をピックアップしていますので、ぜひご参考になさってください。多くの方のお役に立てれば幸いです。
[注1]内閣府認証 特定非営利活動法人 NPOフコイダン研究所:免疫賦活作用について
[注2]タカラバイオ株式会社:ガゴメ昆布「フコイダン」の抗腫瘍作用
https://agribio.takara-bio.co.jp/technology/fucoidan/fucoidan01.html
※現在閲覧することができません。
[注4]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2010年版)6.2.微量ミネラル[pdf]
[注5]国立研究開発法人 科学技術振興機構:免疫細胞による新たな感染防御機構の発見~自然リンパ球は腸管上皮細胞の糖の付加を制御する~